左目も眼底出血 落下星さんの糖尿病合併症体験談

<はじめに>
こちらは以前「落下星」さんという方がご自身のサイトに書かれた記事を転載したものです。
転載・引用を許可されておられますが、ご本人がもう亡くなられておりいつ消えてしまうかわからないため、残しておくために、ここに転載します。
http://rakkasei.syogyoumujou.com/index.html

「楽観視するとこうなる」という、悪い見本としてご紹介します。
大変な危機意識の薄さにより身をほろぼした方です。読んでいくとその楽天家ぶりに良くも悪くも驚かされます。

亡くなられた方をこのように書くのは気が引けますが、客観的に見てたいへん愚かな糖尿病患者と言えるでしょう。
しかし、彼はこうも書いています。

私を「おろかなやつ」と笑って結構です。でも、あなた自身は

絶対に同じ道をたどらないと約束してください。本当にお願いいたします。

今回は、左目の眼底出血のお話です。彼は、この時点ですでに右目を失明しています。両目を失いそうだという焦りは相当なものだったでしょう。
彼が右目を失ったときのお話はこちら → 片目失明 落下星さんの糖尿病合併症体験談



左目も眼底出血


☆リアルタイムに書いたもの。かなりあせっているのがわかる。 

2000年2月21日、朝から目がおかしいので残された左目が、中程度の眼底出血を起こしているとわかった。

白い壁をぼやーっとみていると出血のあとが、コップの水のなかに黒インクをたらした直後のようになって見える。

出血直後なら血の色にみえるのだが黒ということは、かなりの時間がたち、血がかたまってしまったということだ。

しかも、その固まった場所が視野の中心。このくらいの大きさとコントラストの字は視線をずらすと、なんとか読むことができる。右目を失明したときもそうだったがこうなると、自然に出血した血が体液に吸収されるのをまつしかないのだ。

手術は可能なのだが、もともとの糖尿病が良好にコントロールされていないと危険率が高いという理由で手術してくれない。

もっとも、全盲になるかどうかという場合は手術をしてくれるかもしれない。

そうだ、いまおもいついたのだが拡大した文字で書き込んで、それを普通のサイズに縮小してUPすれば書き込めるし、以前、一時的に全盲になった時音声読み上げソフトを買ってきてあった。

うん、これで時間はかかるがホームページはつづけられる。

02/22 =============================

うーん。いくら脳天気な私でも、そろそろ最悪のシナリオに対して策を考えておかないといけないな。

とはいっても、昔買っておいた「ドキュメント・トーカー」という音声読み上げソフトをインストールして悦にいってるんじゃ、あんまり深刻になっているとはいえないな。(^_^;)

性格異常なのかもしれないけど、そのときどきで楽しめることを見つけられるから落ち込まないですむのかもしれない。(^_^)

しかし、悔いが残るのは買ったばかりのデジカメ。1枚も撮影しないうちに使えなくなってしまった。

いや、やっばり目をなおさなくちゃ。一瞬、ここまで来たらアルコール解禁にしようと思ったが

デジカメを使えるようにしなければ・・・

02/23 =============================

さあ、今日からはいつものようにばか話し。と思ったんだけど、今日の透析では止血に失敗したあげく

足の傷の手当てにも失敗して、血がとまらなくなった。まあ、普通じゃないことはたしかだが出血はいずれとまるだろう。

恐いのは身体全体が出血しやすい体質?または病気になってしまったのだろうかという不安。

過剰な放射線をあびた覚えはないけど・・・偶然がいくつか重なると不安になるもんだね。(^_^;)




★一応落ち着いてから書き上げたもの


2000年2月21日、朝、目覚めてまくらもとの時計を見ようとすると

なにかがおかしい。めやにが大量にたまった感じで時計がはっきりと見えないのだ。

手で目をこすってみても、めやになんかない。

あっ、これはもしかして・・・(^_^;)

白い壁を見つめて、焦点を調節してみると、コップの水に墨をたらしたような黒いものが見える。

やったーっ、眼底出血だぁっ。

コップの水に墨をたらしたような黒い模様は、出血直後にら赤い血の色に見える。(右目失明時に経験)

黒いということは、すでに出血から時間がたち、血液が凝固してしまったということだ。

凝固する前なら、血液を固まりにくくする薬を使ったりして、出血部分を洗い流すこともできるのだが、固まったあとでは効果はすくない。

「これじゃ、救急車をよんでもまにあわないな」と判断して手持ちの血液を固まりにくくする薬を飲み、いつも通り透析にむかう。

幸い、ボヤっとしているが、目は見える。道路の横断は恐くてできないが、家の中とか病院の中は歩きまわることができる。

透析を終わって家にもどると、ちょっとだけホーページを書き換え(^_^;)早めに就寝。

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2月22日、平静をよそおって自宅でおとなしくしていたが心の中は不安で一杯。心細いので、たいした用事もないのに友人に電話をかけまくったり、ホームページをいじくりまわして気をまぎらわせる。おかげで夕方にはだいぶ落ち着いてきた。

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2月23日、透析に行く途中にいつものマックショップによる。

うん、いいぞ、目の異常に気付かれた様子はない。

病院についてから、電話で連絡しておいた主治医と面談。

透析終了時にアドナを注射するとともに市立病院の眼科へ紹介状をかいてくれることになった。

この病院にも、月に1回は眼科医がくるのだが、眼底出血に対応できる体制ではないとのこと。

めんどうだな。明日は市立病院はパスしよう。金曜日の午前中にいけばいいや。

どうせアドナを出すくらいしか対処方法はないのだから・・・

こんなときに変に知識があると、不安からはのがれられるが見込みのない現実に待ったなしで直面しなければならないのもあまりいい気持ちにはなれないね。(^_^;)

眼性疲労による頭痛とかたこりもでてきたし・・

早めにねようかな・・・・・

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2月24日、今朝目覚めても視力は変わらない。

まず、紹介状をかいてもらった市立病院へ電話して受け付け時間などを確認する。

結局、明日の午前中に受診することになった。

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2月25日 どうしたことか足の傷が痛い。半端な痛みではない。

歩行困難なほどのいたみ。よって眼科はパス。とうせアドナを処方して様子をみるしか手はないのだ。

右目を失明したときもそうだったが、小規模や中規模の出血をくり返し、そのつど、すこしづつ視力が落ちていく。そしたある日大規模な出血がおそい光りを失う。その後、半年とか1年後に網膜の細胞が生きているかどうか検査する。

網膜の上に血の固まりがあっても、網膜細胞が生きていることもあるのだ。

が、患者にとってみれば、どちらでも見えないことはおなじなのだ。

眼科は足がなおってからにしよう。そう、急ぐこともあるまい。・・・・

(こういう性格だからいけないんだろうなぁ・・・)

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2月29日 どうやら左目の状態も安定してきたみたいだしいまさら眼科にいってもアドナを処方するだけだろうから眼科にはいかないことにした。

増殖性網膜症をおこした場合は、血糖値(GHbA1c)を急激に下げてはいけない。むしろ少し高めを維持し、数カ月単位で徐々にさげるようにしないといけないのだ。

そんなことは右目失明の時にきいてはいるが、ここまで末期になると、全身の血管はボロボロになっている。

いつ、心筋梗塞や脳梗塞をおこしても不思議はないのだ。(^_^;)

まあ、せいぜい、ストレスがたまらない程度に摂生していこう。